



同じようで微妙に異なるパターたち。正しく「神は細部に宿る」いや「職人の矜持は細部に宿る」といった方が良いか。TPA18 TYPEも本当に絶賛されたパターだったけれども、(これは記事にも書いたが)どうしてもネックの【鈍さ】が、他があまりに見事だった為に余計に僕は気になっていた。今回のLM-19はこの部分にも改良が加えられて、非常にシンプルでかつ先鋭的で、正確なアライアメントがとりやすくなるような工夫がされている。ネックからは微塵も鈍さは感じられず、インパクトの神経質な感触が、両手のひらから体のすみずみまでに広がるイメージがする。


SONY NEX-5N Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
是非一度、I・Rプロに使って頂きたいパターなんだが。




SONY NEX-5N Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
特筆すべきはネックからトップブレードの流れかと思う。このラインが見事に調和しているし、やや厚めのブレードが安心感かつ重厚な打感を予感させてくれる。ネックの厚みとこのブレードの厚みがシンクロしているからに違いないこの安心感は、LM-19を特徴づける大きなポイントの一つだと確信できる。もう一つ忘れてはならないのが、ヒールのエンドラインのRの見事さだ。これは間違いなくテークバック時の感覚に大きな影響を与える部分であり、かつ全体のスッキリとしたシェイプを、此処だけで決めてしまっていると言っても過言ではない。逆に言えばこのタイプのパターは、ここが野暮ったいのは印象が悪いということになるのではないかと思う。北田さんもこの形状なるまでは相当数の試作を作られたと聞いているけれど、その言葉がずっしりと重く感じるほど、この造形は凄みすら感じさせる。欲を言えば、軟鉄で使ってみたいパターかも知れない。



Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50 ZE
今一度見返してみると、実に私好みのデザイン。どのあたりかは次回以降にするけれども、なんというか全体のバランスの妙、無駄なくかつ必要なところにはぎりぎりのラインでボリュームが与えられていて、鈍いところが全く感じらられない。SQAは実用的な美を感じたけれども、このLM-19はどちらかというと芸術的な美を感じるKITADA GOLF DESIGNの傑作の一つと感じます。
実は2月初旬に撮影は終わっていたのだけど、私の都合でこんなに遅れて掲載となってしまい、大変申し訳ない事をしてしまいました。ご厚意でお貸し頂いた北田さんやmiya。さんにお詫び申し上げます。



EF100mm F2.8L MACRO IS USM
姫路からお持ち頂いたサンプルヘッドをお昼の食事の後に見せて頂きました。TPA18は新潟にお嫁入り。(流石にお目が高い)しかしいずれ劣らぬ素晴らしいヘッドばかりで、とくに色々疑問に感じていた造形の数々を、現物を見ながら解説頂き勉強になりました。制作者でなくては解らないデザインの妙、とても深い世界でした。いくつもの積み重ねで出来た作品、ノウハウを惜しげもなくお教え頂き、本当にありがとうございます。宝物がまた一つ。形には残らなくてもその人の想いというのはかけがえのない宝物だと強く感じました。



Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50 ZE
陳腐な記事でご紹介すのも恥ずかしい位なのだが、ご容赦願いたい。このパターの魅力の前では正直どんな言葉も陳腐にならざるを得ないかと思う。




Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50 ZE
横道ついでに私の拙い経験で言えば、このTPA18TYPEは、ストロークの大小はありますが、フォロースルーでトゥがカップを示す様な時は良い転がりをしてくれます。この辺はアイアンと同じ動作でしょうか。ボールをちゃんと捕まえる動作を学習するにも良い練習になります。またミスはややトゥ目のヒットの時はひろってくれますが、ヒール目には厳しい感じです。
今回は露出を押さえたアンダーな写真が多いですが、実際は素晴らしい発色のDLCです。次回以降で。



Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50 ZE
実はブログは年内休止と決めていたのだけど、KITADAさんのこのパターを見て、今再開しなければ!という想いに駆られました。パターという道具に魅入られた人なら誰でも感じる、美しく気高いオーラを放つパターです。KITADAさんのエールに、僕のあらん限りの感謝をしつつ。


ステンレスのモデルはオードソックスなインナーホーゼル。しかしながらこのモデルはオーバーホーゼルを採用して、新たな個性を打ち出している。挿入長がこれだけ長ければ、シャフトとの一体感は更に強まるだろうし、余分な振動も極力排除出来るだけの強度も得る事が出来るだろう。ネックとの一体感と言う事だけ見れば、おそらくオーバーホーゼルが勝っているに違いない。miyaさんから頂いたスペックは、ヘッド重量348g、シャフト重量127g(島田シャフトとジオテックのコララボ141g)をチップカット5.5インチ±、バットカット0.5インチ±、グリップは(Gold's Factory のブラック)55g、他2g。総重量532g。 バランスD-1.0。 長さ33、8分の3インチ。お分かりのようにチップカットで振動数を上げています。これは制作の意図として、固いシャフトを試したいということのようで、通常375~385cpmのところ、今回は433cpmにて仕上がっているとのことです。かなりハードスペックですね。


実際のラウンドでは、【打感】という表現よりもむしろ【打音】が良かったと表現されていましたが、音の善し悪しは直ぐに距離感に直結しますので、相当縦の間隔が掴みやすいパターである事がわかります。少なくとも私の様な下手なパッティングでも5mを左右に2m外す事は稀ですが、(皆無ではありませんが)前後に2mはしょっちゅう外す訳で、この距離感がしっかりしていると、アプローチからの精神的なプレッシャーから解放されるのは間違いがありません。


見ているだけで、手にとって見たい衝動に駆られます。DLCのオーロラコートも凄味という美しさがありますが、そういう観点だけで見てみると美しいガンブルーには似たようなものがあると思います。